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絵本紹介⑭

『さかさま』

 

新しいスタイルの面白い本です。

 

「赤い星」と「青い星」

二つの星はそれぞれ

幸せに暮らしていたのですが

ある日、争いが起きてしまいます。

 

2人で向かい合わせで一つの星の物語を読み

今度は反対向きにして

もう一つの星の物語を読みます。

 

二つの世界を覗いて

それぞれの言い分を理解し、

なぜ争いが起きたのか

どうすればよかったのか

読者は考えます。

 

自分の世界しか見えていないときには

当然自分たちが正しいと思っているけれど

立場や環境が違えば

また違う世界があります。

 

わかっているつもりでも

本当に相手の立場に立って

物事を考えるということは

とても難しいことです。

 

実際その世界に入ってみなければ

わからないことって沢山あります。

 

独身の頃は、レストランで泣きわめく

子供を見て、迷惑だとしか思えませんでした。

母親になってみて、子供ってこんなにも

場所をわきまえず泣きわめくんだ…と知り(笑)

もちろん今では迷惑だとは思いません。

 

若くて、体も頭もバリバリ動いていたころは

母親の理解力のなさにガッカリしたものですが

自分も40を過ぎると、世の流れについていく

大変さを十分理解できます(笑)

 

相手の立場に立って物事を考えなさいって

よく言うけれど

それが合っているかどうかは経験してみないと

本当に理解したとは言えないですね。

 

経験できないのなら

”話し合う”ことって大切だな、と

この本を読んで改めて感じました。

些細なことでも言葉にすることは大切ですよね。

 

伝える力というのも能力の一つ。

私にとっても大きな課題です。

色々と考えさせられる、素敵な本でした☆